【医師解説】「休んでも疲れが取れない」ママへ。自律神経のSOSと今日からできる対処法
医療上の注意:本記事は一般的な情報提供です。強い倦怠感・動悸・息切れ・発熱が続く、めまいで倒れそう、体重の急な増減、産後の抑うつが疑われる等は医療機関へ。
「寝ても疲れが取れない」「ずっと体が重い」。それは、自律神経の乱れ・睡眠の質低下・栄養不足などが重なった“回復できない体”のサインかもしれません。小児医療に携わる医師の視点で、原因と対策をわかりやすく解説します。

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まずはセルフチェック
- 朝起きても「だるい」「頭が重い」
- 肩こり・頭痛・目の疲れが続く
- イライラしやすい/集中できない
- 寝つきが悪い・夜中に何度も目が覚める
- 手足が冷える・胃腸が弱っている感じ
3つ以上当てはまる場合は、生活を“回復しやすい設計”に見直すタイミングです。
「休んでも取れない疲れ」の主な原因
1. ストレスホルモンの慢性化(コルチゾール過多)
育児・家事・仕事のストレスが続くと交感神経が優位になり、回復のギア(副交感神経)が入らなくなります。→ ストレスを下げる10の具体策。
2. 睡眠の断片化(深睡眠不足)
夜間の中途覚醒や子どもの呼びかけでノンレム深睡眠が削られると疲労回復ホルモンが不足。→ ママの疲れを改善させるコツ。
3. 栄養の偏り・不足
- 鉄(フェリチン):不足でだるさ・頭痛・息切れ感
- ビタミンB群:エネルギー代謝の要。欠けると疲れやすい
- たんぱく質:筋力低下→疲れやすさに直結
- 水分・電解質:脱水はだるさ・頭痛の原因
4. 気象・ホルモンバランスの影響

季節の変わり目や気圧変化は自律神経に負担。産後〜数年はホルモンの揺らぎでも体調が崩れやすくなります。
医師的に“夜の質”を上げやすいアイテム
※効果には個人差があります。既往症・妊娠中は使用前に医師へ相談。
今日からできる「回復ルーティン」完全版

【まずは90秒】瞬間リセット(忙しいママ用)
- 4-6呼吸(4秒吸う→6秒吐く×6回)
- 首の前後ストレッチ(各10秒)
- 耳をつまんで軽く回す(20秒)
→ たった90秒でも副交感神経にスイッチ
朝:体内時計を整える3点
- 起床後30分以内に朝日(2〜5分)
- 水1杯+塩ひとつまみ(発汗が多い日は経口補水液)
- たんぱく質先行(卵/ヨーグルト/豆腐)
朝の“底上げ”に相性の良い定番
※サプリは体調・服薬で適否が変わります。自己判断の多量摂取はNG。
日中:だるさを溜めないミニ習慣

- 45〜60分ごとに肩甲骨回し(各10回)
- カフェインは14時まで
- 「お願いリスト」を家族と共有(頼る仕組み)
“時間の余白”を作る味方
夜:深睡眠のための儀式(30分前から)
- 画面オフ→間接照明
- 首もとを温める(蒸しタオル or 40℃前後10分)
- ToDoを書き出す
耳栓や環境音アプリも有効。AirPodsの外音/ノイキャン活用術も静けさの確保に役立ちます。
食事・栄養のコツ(一般向け)

- 鉄:赤身肉・レバー・あさり・小松菜+ビタミンC
- ビタミンB群:豚肉・納豆・卵・玄米
- たんぱく質:体重×1.0g/日目安
- 水分:1.2〜1.5L/日(授乳中は+α)
鉄不足が疑わしいとき:まずは受診・採血(ヘモグロビン/フェリチン)。
一般向けの鉄サプリ例:
※持病・服薬中・妊娠中は必ず医師/薬剤師へ相談。自己判断の長期多量摂取は避ける。
週1回の「全身リカバリーデー」
「小さな無理」の積み重ねを減らす仕組みづくりが回復の近道。- 家事オフを宣言
- 自然の中を15分歩く
- 楽しみを1つだけ(カフェ・趣味・推し活)
頭痛が強い日のセルフケア
- 暗めの部屋で安静、こめかみ〜首筋を温める/冷やす
- 水分・軽い糖分補給、カフェイン少量
- 市販鎮痛薬は用法容量を遵守。月10回以上の使用は医師相談
タイプ別の対処は→ ママの頭痛タイプ別ガイド
こんなときは受診を
- 階段で動悸・息切れがひどい、立ちくらみが続く
- 甲状腺症状(動悸・手の震え・強い寒がり/暑がり)
- 産後の抑うつ感が強い/不眠が続く/死にたい気持ちがよぎる
- 頭痛が今までと明らかに違う・突然最悪の痛み

まとめ
「休んでも疲れが取れない」のは努力不足ではなく仕組みの問題。朝の光・呼吸・首温め・栄養の“地味だけど効く”を積み重ねていきましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. どのくらいで効果を感じますか?
個人差はありますが、睡眠・呼吸・首温めを続けると1〜2週間で「朝のだるさが軽くなる」人が多いです。
Q. サプリは飲んだ方がいい?
食事から整えるのが基本。貧血・甲状腺などの可能性があるときはまず受診を。自己判断での多量摂取は避けましょう。




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