【医師解説】子どもの成長痛|特徴・受診目安・対処法と身長との関係
医療上の注意:本記事は一般的な医学情報です。強い痛み・片側だけの持続痛・腫れや発熱・歩行困難などがある場合は、整形外科/小児科を受診してください。
成長痛とは?
成長痛は、明確な器質的異常がないのに夕方〜夜間に脚(膝・すね・太もも周り)に起こる痛みの総称です。特に5〜12歳で多く、日中は元気でも夜間に痛みで起きることがあります。
成長軟骨そのものが痛むわけではなく、日中の活動量や筋疲労、睡眠中の姿勢・心理的要因などが複合して起きると考えられています。
成長痛の典型的な特徴
- 夕方〜夜間に痛み、翌朝にはケロッと改善している
- 関節の腫れ・赤み・熱感がない
- 日中の運動や歩行に支障がない
- 両脚の広い範囲を指すことが多い(膝だけ・すねだけに限らないことも)
- 成長期(小学生中心)に多いが、身長が伸びることと痛みは直接の因果関係はない
要注意!成長痛ではない可能性があるサイン
以下に当てはまる場合は、別の病気・ケガの可能性を考え、早めの受診をおすすめします。
- 片側だけに痛みが続く/部位がはっきり局在している
- 関節の腫れ・赤み・熱感がある、発熱を伴う
- 日中も痛み、歩き方が変・びっこを引く・運動で悪化する
- 強い外傷後から痛みが続く、夜間も持続的に強い痛みで眠れない
- 長引く痛みとともに、体重減少・倦怠感など全身症状がある
家庭でできる成長痛の対処法
- やさしいマッサージ:ふくらはぎ・太ももをなでるように。痛い所を強く押し過ぎない
- 温める:入浴で体を温め、就寝前は温タオルなどで局所を軽く温める
- ストレッチ:日中にハムストリングやふくらはぎの軽いストレッチを習慣化
- 安心させる声かけ:不安で痛みを強く感じやすいので、安心感を与える
- 鎮痛薬:必要時はアセトアミノフェンなどを医師指示に沿って使用(長期連用は不可)
基本的に運動制限は不要です。ただし痛みが強い日は無理をせず、睡眠を十分にとりましょう。
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成長痛と身長の関係:痛いほど伸びる?
「痛い=背が伸びる」という医学的根拠はありません。ただし成長期に痛みが出やすいため、身長の伸びと関連づけて感じやすいのは事実です。
身長を最大限に活かすには、睡眠・栄養・運動の3本柱が重要。以下の記事で実践ポイントを詳しく解説しています。
- 朝のパフォーマンスを整える:小学生の朝ごはんで学力アップ!秋の栄養バランス献立
- 思春期以降の伸びしろ戦略:高校生からでも身長は伸びる?
- 運動×身長の実践ガイド:子どもの習い事と身長の関係
- 生活習慣の総まとめ:子どもの身長を伸ばす方法
- おうち運動アイデア:トランポリンは成長に効果がある?
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受診の目安
- 片脚だけの痛みが数日以上続く、または同じ場所がいつも痛む
- 腫れ・発赤・熱感、発熱など炎症・感染のサインがある
- 日中も痛み、歩行困難や運動制限が出る
- 夜間痛が頻回で睡眠が著しく妨げられる
- 保護者が直感的にいつもと違うと感じる場合
よくある質問(FAQ)
- Q. 成長痛の典型的な症状は?
- A. 夕方〜夜間に両脚の膝やすね周辺が痛み、翌朝は改善するのが典型です。関節の腫れや赤み、発熱は伴いません。
- Q. 受診が必要なサインは?
- A. 日中も痛む、歩きづらい・びっこを引く、関節の腫れや熱感、発熱、片側の持続痛、外傷後の痛みなどがある場合は整形外科や小児科を受診してください。
- Q. 家庭でできる成長痛の対処法は?
- A. やさしいマッサージ、温罨法、入浴、軽いストレッチ、睡眠環境の整備が有効です。運動制限は原則不要ですが、痛みが強い時期は練習量の調整を行いましょう。
まとめ
成長痛の多くは自然に軽快し、日中の活動に制限は不要です。痛みが続く・片側だけ・腫れや発熱を伴うなど
成長痛らしくない所見があれば受診を。身長の伸びは睡眠・栄養・運動の積み重ねが鍵です。焦らず、できることから整えていきましょう。
参考文献
- American Academy of Pediatrics. Musculoskeletal Pain in Children(臨床指針)
- WHO/FAO. Nutrition and health of school-aged children and adolescents.
- 日本小児整形外科学会「小児の下肢痛の鑑別と対応」




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