【医師解説】子どもの鼻血の原因と止め方|繰り返すときの受診目安
まずは全体像をざっと確認👇
この記事は医師による医学的視点を含みます。 個別の体調・持病で対応は変わります。心配が続く場合は耳鼻咽喉科や小児科でご相談ください。
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子どもの鼻血は見た目のインパクトに驚きますが、ほとんどは落ち着いて対処すれば止まります。大切なのは原因を知ることと、出たときの正しい止め方を覚えておくこと。繰り返す場合の受診目安まで、やさしく解説します。
子どもの鼻血はなぜ多い?
多くは鼻の前方(キーゼルバッハ部位)という、もろい毛細血管が集まる場所から出ます。乾燥やこすれ、風邪・アレルギーで粘膜が傷つきやすくなると起こりやすくなります。

よくあるきっかけと、繰り返すときの見方
乾燥+鼻ほじりは最も多い組み合わせです。風邪やアレルギーの時期は、くしゃみや鼻かみで粘膜が擦れ、いっそう出やすくなります。ボールが当たるなどの打撲がきっかけのこともあり、その際は
頭部外傷の受診目安も合わせて確認しておきましょう。
頻繁に繰り返すなら、アレルギー性鼻炎の関与が多く、季節で増減します。まれですが、止まりにくい出血や青あざが多いといったサインがあれば、血液・凝固の異常を評価します。
正しい止め方(家庭での一次対応)

姿勢は軽い前かがみ。上を向く・仰向けは喉に血が回るため避けます。圧迫は小鼻(やわらかい部分)を連続10分。途中で何度も確認せず、最初の10分で止め切る意識がコツです。鼻根〜ほほを冷やすと血管が収縮して止血を後押しします。
受診が必要なサイン
10〜15分のしっかりした圧迫でも止まらない、あるいは頻繁に繰り返す・出血量が多い・立ちくらみなどの貧血症状があるときは受診を検討します。頭部外傷後の鼻血、顔の変形や強い痛みを伴うとき、歯ぐき出血や皮下出血など全身の出血傾向があるときも評価が必要です。基本は耳鼻咽喉科、状況により小児科・救急での確認も行います。
日常でできる予防
就寝時の乾燥を避け、室内湿度40–60%を目安にします。寝る前にワセリンや保湿ジェルを鼻の入口〜小鼻まわりに薄く塗ると、粘膜のひび割れを防げます。鼻かみは片方ずつ優しく。強くかみすぎないコツを練習しましょう。日中に鼻を触る癖がある子は、爪を短く整えて粘膜を傷つけにくくします。
よくある質問(Q&A)
Q. 夜中に出たら? いったん起こして前かがみ+小鼻10分圧迫。止まったら枕元をやや高く、加湿と保湿を。
Q. 学校・園では何を伝える? 「前かがみ+圧迫10分」を共有し、回数や止血に要した時間、過去の受診歴の有無を伝えます。
Q. 何科を受診? 原則耳鼻咽喉科。打撲や全身状態が気になるときは小児科・救急も。
まとめ
子どもの鼻血の多くは乾燥と機械的刺激が背景にあります。家庭では前かがみ+小鼻を連続10分圧迫が基本。長引く、頻回、量が多い、外傷後などは受診で原因を確かめましょう。予防は加湿と保湿、やさしい鼻かみ、爪のケアと“触らない習慣づくり”です。
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参考文献
American Academy of Otolaryngology–Head and Neck Surgery Foundation. Clinical Practice Guideline: Nosebleed (Epistaxis)./日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会:鼻出血の診療指針.




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