ブルーライトは目に悪い?睡眠・視力への影響と正しい対策を医師が解説

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ブルーライトカットは本当に必要? 医師がやさしく解説する科学的根拠と対策

「スマホやパソコンの光で目が悪くなる」と聞くと不安になりますよね。特に子どもが勉強や動画視聴で長時間デバイスを使うようになると、ブルーライトへの影響が気になる方も多いはずです。この記事では、医学的な研究と眼科領域のエビデンスをもとに、ブルーライトの本当のリスクと上手な付き合い方を解説します。

ブルーライトとは?

ブルーライトは、可視光線の中でも波長380〜500nmの短波長光を指します。LEDディスプレイやスマートフォン、タブレットなどの画面に多く含まれ、散乱しやすいため「まぶしさ」や「ちらつき」を感じやすくします。

医学的に見たブルーライトの影響

1. 視力や網膜への影響: ヒトを対象とした研究では、ブルーライトが網膜に直接的な障害を与えるという明確な証拠はありません(O’Hagan JB, Eye 2016)。「ブルーライトで失明する」といった極端な情報は誤解といえます。

2. 眼精疲労・ドライアイ: 画面を長時間見続けると目が疲れる、乾くと感じることがありますが、これはブルーライトよりも近距離作業による瞬きの減少が主な原因です(Sheppard AL, Ophthalmic Physiol Opt 2018)。

3. 睡眠への影響: 夜間のブルーライト曝露はメラトニン分泌を抑え、入眠を妨げる可能性があります(Chang AM, PNAS 2015)。特に寝る直前のスマホ利用は避けたいところです。

ブルーライトカット製品の効果

市販のブルーライトカット眼鏡やフィルムは20〜40%の光を抑えるものが多く、視力改善や疲労軽減へのエビデンスは限定的です(Lawrenson JG, Cochrane Database 2021)。ただし、まぶしさの軽減や夜間の快適性向上には主観的な効果が報告されています。

実際に推奨される目のケアと対策

大切なのは「ブルーライトを完全に遮断すること」ではなく、目と光のつきあい方を整えることです。

画面作業は20分ごとに20秒間、遠く(約6m)を見る「20-20-20ルール」を取り入れましょう。画面との距離は40cm以上、夜間はナイトモードを活用し、就寝の2時間前にはデバイス使用を控えることが推奨されます。子どもは特にこの影響を受けやすいため、家庭での習慣づくりが大切です。

ブルーライトカット眼鏡・フィルムの選び方

日常使いなら20〜40%カットで十分。透明レンズタイプなら色味の変化が少なく、勉強や仕事でも使いやすいです。子ども用は軽くてフィット感のあるものを。スマホやタブレットには「フィルム+ナイトモード」の併用が快適です。

まとめ:光とうまくつきあうことが大切

ブルーライトそのものが失明や視力低下を引き起こす根拠はありません。ただし、夜間の強い光は体内時計に影響するため、「時間帯と距離の調整」がもっとも重要です。ブルーライトカット製品は、快適さを補うサポートツールとして上手に活用しましょう。




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参考文献

  1. O’Hagan JB. Eye. 2016;30(2):230-233.
  2. Sheppard AL, Wolffsohn JS. Ophthalmic Physiol Opt. 2018;38(5):1-17.
  3. Chang AM et al. PNAS. 2015;112(4):1232-1237.
  4. Lawrenson JG et al. Cochrane Database Syst Rev. 2021;8(8):CD013244.

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